BLOG #43

KURO TOKYOの渡辺です。
梅雨が終わり今年も夏が始まってしまいましたね。
僕が前回KUROスタッフブログに登場してからもう1年が経とうとしていることに驚嘆しています、皆さんは夏休みどのようなご予定がありますでしょうか?
先にお伝えします。今回のブログ、これから続く私情興奮よりお洋服のお話一切ございません。

僕は学生の頃、夏や冬の長期休暇でも一切旅行をした記憶がなく、せめて日帰りで海や山へ向かう程度が限界でした。
「年一は旅行に行きたい!!!」なんて言える人のバイタリティにいつも感心してしまうような面白みのない人間です。
そんな自分ですが今年は友人らとフジロックに行ってきました。

初日のみの参戦でしたが、お目当てはずばりヘッドライナーを務める The Chemical Brothers。
イギリス出身、ダンスミュージック界の超大御所ですが、アルバムを出せば世界中のイベントへ引っ張りダコ。衰えを知らない二人組です。
今回はそんな英雄の独断楽しみ方ポイントを2つに絞ってお話したいと思います。

左←エド・シモンズ (Ed Simons) 右→トム・ローランズ (Tom Rowlands)
中央は元BBC”RADIO 1”のパーソナリティを務め、今APPLE MUSICのBEATS 1でDJを務めるゼイン・ロウ(Zane Lowe)
余談ですがゼイン・ロウが180㎝だそうなのでケミカル兄弟ってとても高身長なんですね。

前回この二人を見たのは2015年のサマソニ(同じく大トリ)でした。
ファーストアルバム発表から今年でキャリア24年、50歳近いおじさん達が毎度会場を唸り狂わせる…電気代に一体いくらかかるのかも気になりますが、何よりその他の追随を許さぬ表現力は凝ったライブが多いエレクトロの界隈でも断トツと思います。
多様な照明の組み合わせ・ビジュアルテーマ・絶妙に耳が痛くならない限界の高低音バランス…と幅広い攻め方でファンの年齢層を選ばない。
彼らの大きな強みであり、ケミカルがケミカルたる所以です。
大人だな~
頭が上がりません。
足を向けて寝られません。かっこいい。

加工でバックスクリーンの大きさをわかりやすくしてみました。
と、ここまでショーのほんの一部分を写真で紹介しましたが、お気づきでしょうか。
ここで楽しみ方ポイントその1、
ケミカル、演出に「人体」もってきがち
ライブ用のステージデザインや提携作家も複数いることと思いますが、(メインのビジュアル・コラボレーターはアダム・スミスという長年の盟友がおられます)
何にせよショーという発表形態は短時間だからこその一貫性が求められます。
その策として使いまわしの幅が利く「人の姿」に活路を見出していくところが僕にはスマートに写りました。
始末がいいですよね。

既に若干作文に疲れ始めたのでストレートに楽しみ方ポイント2へ。
大人になっても仲がよし
あくまでファンとして見える範囲の考察に過ぎないのですが、この二人の関係性は円熟味があり、安心が感じ取れ、個人的にとても素敵に思います。
色々と誤解を生みたくない、という理由でインタビューはあまり受けないそうです。
数少ないYOUTUBEなどで見る事の出来る取材映像等では、作り手なりの思想や哲学に深く言及をすることがあまりありません。ただ、だからこそ二人だけで見ている親密な世界が広がっているように窺える所が僕は好きです。
彼らの「バンド=チーム」のいち一員として両者が双方に見出す存在価値。話し方や言葉の選び方からも二人にとってのオンとオフ、情とタスクの切り替えしが垣間見えます。
実は二人はマンチェスター大学で知り合った友人同士。
過去に記事で読んだことがありますが、「僕たちは多くの夫婦関係よりも長いこと一緒に同じことをしている。たまに不思議になるときがある」
…今上り詰めた地位と関係もなく、もしかして音楽制作なんてはじめは友情の副産物に過ぎなかったのかしら…なんてロマンある想像をしてみたり。
最後に、
ちなみにエドさん(左)過去には個人的な学究への集中を理由に2015年のアルバム、"Born in the Echoes"の世界ツアーを辞退しており、今年は彼にとってカムバックツアーとなっているわけです。今フジ、僕の個人的なお気に入りシーンに挙げたいのは、途中そんなエドさんにスポット照明で演奏、隣でトムさんがおかえりと言わんばかりに煽る、なんていう粋な演出が歓喜でした。
ステージ上の二人が互いに向け合う表情や連携は彼らの音楽をより感慨深いものにさせてくれます。そんな二人のように自分も和の中で歳を重ねたいものです。サンキューフジ。サンキューケミカル。
人って仲のよい集団へ惹かれていくものですよね
と、長々と自己満ラブレターすみませんありがとうございましたおやすみなさいませ